テレビ番組で放送されていた内容を備忘録としてまとめました。
脳梗塞のリスクを調べる検査で予防できるかもしれません。
脳梗塞の主なリスク
脳梗塞の主なリスクとなるのが
- 血管が狭くなる動脈硬化
- 危険な不整脈である心房細動
です。肥満も血の塊、血栓ができやすくなり血管を詰まらせる原因となります。
脳梗塞の原因は血管による動脈硬化が7割、不整脈の一つで心臓に起こる心房細動が3割ほどを占めていると言われています。脳梗塞でも、原因は心臓もあるんです。心房細動は脳梗塞を引き起こす不整脈。その患者さんは国内に100万人以上いるといわれてます。心房細動についても知っておいきたいですね。
動脈硬化型の検査
動脈硬化型の検査の前に動脈硬化による脳梗塞の起こり方について。一般的に五十歳ぐらいになりますと、動脈のしなやかさが減って硬くなるという動脈硬化が起こります。血管が硬くなりますと血管の壁に小さな傷ができます。そこにコレステロールなどがたまることで、こぶ(プラーク)ができ血管が狭くなってきます。動脈硬化が進行してコブがさらに大きくなりますと、内膜が薄くなっていくなどをして、そこが破けやすくなってしまうんです。の膜が破れますとその傷を塞ごうとして血の塊である血栓ができます。この血管が詰まってしまいますと脳梗塞が起こるわけです。
また脳以外の動脈硬化が原因になることもあるんです。例えば首にある動脈に動脈硬化が起こりますと、そこには血栓ができてそれが血流によって脳の血管に運ばれて脳梗塞を起こすことがあるんです。動脈硬化型の脳梗塞で脳はどうなってしまうのでしょうか。実際の動脈硬化型の脳梗塞の MRI 画像を見てみると、白く写っているのが壊死してしまった箇所です。う白いポツポツっていう感じで壊死した場所がありますね。
首にある血管を調べる頸動脈エコー
動脈硬化を調べる主な検査が、首にある血管を調べる頸動脈エコーです。実際の頸動脈エコーの画像を見てみると、血管の下側の壁の一部が盛り上がっているのが分かります。こうした場合、動脈硬化と診断されます。同時に脳の血管でも同程度の動脈硬化があると推定されます。50才以上の人はぜひ一度受けてみていただきたい検査です。
動脈硬化の危険性がある方
以下のような動脈硬化の危険性がある方にもおすすめです。
- 高血圧
- 糖尿病
- 脂質異常症
- 腎臓病
- 睡眠時無呼吸症候群
など。高齢者に多い心不全、肥満、喫煙、多量の飲酒などをされてる方にもおすすめです。
頸動脈エコー検査を受ける方法
一つの方法は人間ドックです。費用はだいたい6000円以下、自己負担ですが6000円以下です。また一部の企業では職場の健康診断の項目に含まれてることがあります。
心房細動型の検査
心房細動は心臓の拍動のリズムが乱れる不整脈の一つです。心臓には四つの部屋があります。
- 左心房
- 右心房
- 左心室
- 右心室
通常、心臓の拍動というのは1分間で100回以下なんです。ところがまれに左心房が1分間に400回以上という速さで拍動して、痙攣したような状態になることがあるんです。それが心房細動なんです。放置していますと心房の壁に負担がかかって、傷ができます。その穴を塞ごうとして血栓ができます。この血栓が何らかの拍子に剥がれることがあるんです。それが血流に乗って脳に運ばれますと脳梗塞が起こります。
心房細動脳梗塞の特徴
心房細動脳梗塞の特徴は、血栓ができて脳の大きい血管を詰めることになりますので、重症化しやすいのです。実際の心房細動型の脳梗塞の MRI 画像を見てみると白く写っている範囲、壊死してしまった範囲がとても広いのが分かります。
動脈硬化型の脳梗塞は、死亡率は4%前後。25人に一人が残念ながら亡くなられるということになりますが、心房細動型脳梗塞は約12%ということで8人に1人は亡くなる可能性があるということです。
心房細動になりやすい人の傾向はもちろん加齢によって起こってきます。国内の調査では四十歳以上の人63万人の心電図を調べたところ、全体で0.9%に心房細動が見つかってます。さらにその頻度は年齢とともに増えていき、60歳以上では男性の4.4%女性の2.2%に見つかりました。心房細動があるかどうかを自分で気づく方法もあります。自覚症状として胸がドキドキする動悸や脈が乱れる、胸が苦しい、痛い、階段を少し登っただけで息切れする、などの症状があります。このような症状があった時に、ぜひ脈を取ってみてください。人差し指・中指・薬指を手首の親指の方に持って行って、脈が触れるとこを探してください。それで30秒間脈に乱れがないかどうかを見てください。普通はドクドクドクドクと一定のリズムでですが、心房細動だと脈の打ち方がね不規則な打ち方になります。
不整脈って様々なタイプがありが多くの場合は心配いりません。ただ特に高齢者の方は心房細動かもしれない、っていうことでかかりつけ医に相談して一度心電図検査を受けた方が良いかもしれません。
不整脈を調べるの心電図検査
不整脈を調べるのが心電図検査です。最も広く行われているのが安静時心電図検査です。医療機関や検査機関でベッドに寝た状態で15秒間記録します。健康診断でも受けることができます。他に心房細動が疑われる場合に行われることがあるのが、ホルター心電図検査です。小型の心電計を装着し、自宅や職場などで通常の生活を送りながら24時間記録し続けます。実際に心房細動が起きている時に検査できれば、特徴的な波形が記録され、心房細動と診断されます。
心房細動には持続性と発作性と異なったタイプが二つあります。持続性の場合はリズムの乱れがずっと続いてるので、安静時心電図ですぐ診断ができます。発作性はたまにしか起こらないので、心電図で記録しようとしても、なかなか見つからないことも多いです。「隠れ心房細動」と呼ばれています。動悸があるとか、脈が乱れるなどの症状がある方は、隠れ心房細動の可能性もありますから、医療機関でホルター心電図をつけてもらって検査すると、隠れ心房細動を見つけることができることもあります。しかし、心房細動は半分の方には症状がないんです。の無症状の場合はどうやって見つければいいのでしょうか。六十歳以上の方は1年に1回、定期的には健康診断などで安静心電図を受けることがおすすめだそうです。無症状でも持続性であれば見つかるということになります。研究では、前の年に心電図で心房細動無い方が、1年たったら数十人に一人、心房細動が見つかったということもあります。心房細動ない方でも毎年、検診などで心電図検査はやった方がよいようです。
気になるのは無症状で発作性の場合ですよね。隠れ心房細動の場合が大きな課題で、対策として考えられるのは、特に六十歳以上で動脈硬化の危険因子を持ってる方は、必ず脈を取るって言う事を習慣化してほしいそうです。最近では不整脈を調べるスマートフォンの中にアプリがあります。指を当てるだけで不整脈を検知するって方法ですので、それらにも非常に期待したいところです。
脳梗塞を予防するための対策
動脈硬化や心房細動と診断されたら脳梗塞を予防するためにも対策を始めます。
- 食事や運動
- 減量
- 禁煙
- 節酒
など生活習慣の見直し、必要に応じ生活習慣病の治療薬などを使います。心房細動がある場合は血栓をできにくくする薬を使います。食事は食塩と糖質・脂質を摂りすぎないってことが基本です。運動は日常的にウォーキングなど適度な運動することが勧められます。ただし特に高齢者の方は食事や運動、減量する場合は必ず医師の指示を守るようにしてください。また、禁煙が非常に大事になってます。
新型コロナウイルスの感染拡大と脳梗塞との関係はどうなんでしょうか。新型コロナウイルスに感染すると血栓ができやすいという報告はたくさんありますね。実際に海外の報告では感染者の一部の方に血栓ができる病気として脳梗塞、心筋梗塞、肺血栓症などが報告されてます。ただ国内では感染者がその後脳梗塞を起こしたことが判明したケースは全国調査では2020年の9月の段階ではまだ約30例と日本では極めて少ないです。その理由もよく分かってません。ただ特に高齢者ではですね感染によって重篤化しやすいってのもこれも事実のようです。これから引き続きしっかりと感染症の対策は予防していただきたいですね。